【市長賞】
「手紙」
東北工業大学 大塚将太
審査員からのコメント
この作品は、もうドキドキするような、
皆さんがかつて若い頃に手紙を書いて、そしてまた会いたい人となかなか会えない、
そういう胸のトキメキを非常に幻想的な映像にしていました。
我々が最近、全てインターネットやメールなどで済ませてしまい、
手紙を書くことを忘れている中で、こういう風な作品を作りあげた。
まさしく、「アナログ」と「デジタル」の世界を両方現出してくれたということを高く評価させていただきました。
何か今失われつつある日本の若い人たちの心、
かつての若い人達の心、それが表現された非常に素晴らしい作品だと、
大きな拍手を送りたいと思います。
【商工会議所会頭賞】
「陸奥おとぎ唄〜安達が原〜」
東北芸術工科大学 高橋由香
審査員からのコメント
全体としては、ショートデジタル紙芝居という雰囲気に仕上がっていてとても入っていきやすい作品になっていました。ストーリーは全国的にもよく知られている「安達原の鬼婆」という民話をもとにしていますが、このよく知られたストーリーを親しみのもてる描写で儚く、切なく仕上げているところが評価のポイントでした。画の展開とナレーションの
テンポのマッチングがよく、クオリティの高さを感じました。
【審査員長賞】
「BIRD BARON'S STORY」
東北工業大学 萩川由貴
審査員からのコメント
この作品は、飛び出す絵本をデジタル技術で演出している個性的な表現が印象的です。絵本のページをめくることで物語が進んでいくほか所々アニメーションが入るなど、次はどのように展開していくのだろう、と興味を持たせてくれました。ユニークな創造性が高く評価されました。
【審査員酒井賞】
「谷藤探検隊 河童編」
盛岡情報ビジネス専門学校 小野雄樹
審査員からのコメント
秀逸なパロディである。パロディの危うさは、”パクリ”や”おふざけ”に甘んじてしまうところであるが、本作品は、パロディであることを鑑賞者に忘れさせ、ふと気づくとその映像の中にどっぷりとはまってしまう。また、作者達が本当に楽しんで作品を制作しているのが、映像からヒシヒシと伝わってくる。「楽しく創る。」それは、作品を作る上で一番重要なことであり、実は忘れがちなことである。是非、これからも地域と連帯し、地元密着型の探検隊シリーズを数多く制作してほしい。
【審査員パスカル賞】
「Chick89(チックハック)」
宮城工業高等専門学校(現・仙台高等専門学校
築舘しおり 他6名
審査員からのコメント
私は、この作品の調和がとれて独創性のある作品が好きです。
世界的にも通じるセンスで、それでいて"お決まり"ではなく、そしてシンプルなスタイルと、美しい音楽がとても良くマッチしています。表現のひとつひとつに注意が注がれて、シンプルなキャラクターがちゃんと生きています。
将来的には、技術的にも洗練された作品をこの作者は作っていくと思いますが、子供の最初のステップを目の当たりにするような、次に何が起こるのだろうと、見る人に期待をさせます。
こういった事はとても大事な事で、バランスを考えていけば、"Great!"になるでしょう。
【審査員近藤賞】
「サークル・トゥ・サークル」
東北工業大学 クリエイティブデザイン学科1年生
審査員からのコメント
形から発想してストーリを展開し、また次の人へとリレーのように引き継いで行く
...といった手法は昔から多くのアニメーター達の練習法として取り入れられてきました。
この短いアニメーションの中にたくさんの面白いアイデアが詰まっていて、それを
他の人の作品と繋いでみると、自分の作品を客観的に観ると同時にもっとこうすればと、
また違ったアイデアが生まれたりします。
映像作りの姿勢の基本にもなる、ひとつの事をヒントにそこからアイデアを膨らまし、作る。
そして、鑑賞する。そしてまた次のアイデアを考える。
この創る楽しさの気持ちを今後も忘れないで、これからもたくさん作品を創っていって下さい。
【審査員沼澤賞】
「青いさざなみ」
東北芸術工科学 白田明日香
審査員からのコメント
作品「青いさざなみ」はアニメーション作品としてファンタジックな画作りと音作りにおいて優れているだけではなく,見る人の内面の状況によってさまざまな連想を誘発させる奥の深いストーリー性を併せ持ち,制作者の現時点での豊かな感性を感じさせるとともに将来の飛躍を予感させる優秀作品である.
【審査員竹治賞】
「フミキリとコエ」
宮城工業高等専門学校(現・仙台高等専門学校)
板橋令児
審査員からのコメント
女の子の声の小ささと踏切の警鐘や通り過ぎる電車の騒音という要素を上手く企画構成の中に取り込み、ストーリーに絡ませていく演出力に惹かれました。そしてその設定の中でもどかしい恋のやりとりがせつなく描きあげられていく部分は非常に感動的です。ただ今回は文字テロップだけでセリフがつけられていませんでしたが、こういった切り口でセリフをつけて演出した作品も見てみたいと思います。
【RFS特別賞】
「DOG RUN」
学校法人日本コンピュータ学園
東北電子専門学校 加藤大地
審査員からのコメント
受賞おめでとうございます。
現実の世界ではいじめられ引きこもりになってしまった主人公が、ゲーム中の世界で犬として飼い主に大事に育てられ幸福感を味わうことができたのはほっとさせられました。
CG映像もきめ細やかに表現されていて、見ているうちにストーリーの中に引き込まれていました。
これからもこの受賞の経験を生かし、今後の活躍を期待しております。
【特別賞】
「人間失格」
八戸工業大学 守屋勇輝
審査員からのコメント
一言で言えば非常にメッセージ性の強い作品であり、制作者の心の中がビンビンと伝わってくるような作品であったと言えるでしょう。また、そのメッセージを伝えていくために練られた切り口と映像構成は、これから制作者が目指すべき道をはっきりと暗示しているようにも思われます。デジタル映像技術が急速に進み、多種多様な映像表現が可能になった映像世界においては、このようなはっきりとした制作意図は非常に大切なものであり、その点が評価されたものであります。
【奨励賞】
「ぼうし村の朝」
岩手大学 菊地優
審査員からのコメント
やさしくフワフワとしたタッチのイラストが見ている側の心をなごませてくれるような画作りに加え、ストーリーもまたリアリティとファンタジーの間を浮遊しているような雰囲気が漂い、今で言うところの「癒し系アニメーション」であると言えましょう。その感性を大事にし、作品づくりを進めていけば、おそらく誰もマネできないような独自の世界観を築くことが出来るアーティストになれると思います。
【奨励賞】
「fly away」
国際アート&デザイン専門学校 我妻敏
審査員からのコメント
感情を持つ人型の生き物がより高みを目指して走り続ける世界観を画面を横スクロールしていく世界観とモノトーンのシンプルな映像構成で巧みに生み出した演出が深く印象に残りました。ユニークな発想が光る作品であると思います。今敢えてシンプルにしているであろう世界観を、今度は敢えて複雑にしてみるとそこにどのような世界が生まれるかを見てみたいと思わせる作品でした。
【市民賞】
「人間失格」
八戸工業大学 守屋勇輝
市民からのコメント(投票用紙より)
人(青年)がごく普段着のままの生活を通して、内面をのぞかせてくれたところ。いつも人はこのままでいいのか?と自問自答しているもののようだ・・・と思わせてくれた。短い中で純粋なテーマを描き出し、大切なことに気づかせてくれた。命とは優しさだと思った。